ニュースでも取り上げられることの多い逆走車ですが、走行中に逆走車を見つけたらビックリしてしまいますよね。
実は私も逆走車を見かけたことがありました(幸いなことに事故もなく、安全に解決されましたが…)
一般道でも危険な逆走ですが、高速道路だと大事故に繋がりかねず、遭遇したドライバーには冷静な対応が求められる事案です。
今回は一般道・高速道路で逆走を見つけたら何をしたら良いのか、なぜ逆走は発生するのか、高速道路で発生した逆走に関する情報を紹介します。
逆走車を見つけたら どのように対処すれば良い?
逆走車を見つけた時の連絡先
何の心構えもなく逆走車を見つけたらビックリすることと思います。
逆走車を発見した時の連絡先は一般道も高速道路も同じですので、安全を確保したら以下の番号のどちらかに連絡してください。
逆走を発見した時の連絡先
- 110番(警察)
- #9910(道路緊急ダイヤル)
緊急事態とはいえ運転中の通話は危険ですので、同乗者に連絡してもらうか、安全な場所に車を止めてから行ってくださいね。
逆走車の特徴を聞かれるかはわかりませんが、ドライブレコーダーなどで事前に車体の色などを確認しておくのも良いかもしれません。
また、逆走車を発見したのが高速道路であれば非常電話からの連絡や、料金所スタッフへの申告でも大丈夫です。
連絡する場合は最寄りの出口やパーキングエリア・サービスエリア名など、発見した場所の情報を控えておくとスムーズに話が進むかと思います。
逆走車に遭遇した時の運転で注意したいこと
急ハンドル・急ブレーキを避ける
逆走車を発見した場合に慌てて急ブレーキを踏むと後続車両に追突される恐れがあります。
また、急激なハンドル操作は高速で走行している時にはスピンや横転の危険があり、周辺車両・中央分離帯などへの衝突や、一般道を走行中であれば歩行者・自転車をも巻き込んだ事故に繋がりかねません。
回避行動の域を超えて思いっきりハンドルを回すようなことは避けてください。
別車線や空いているスペースへの退避
進行方向から逆走車が走行してくるのが見えたら隣の車線や路側帯など、空いているスペースに車両を移動させ、逆走車を回避してください。
走行時は左車線を走るようにする
高速道路でも一般道でも逆走車はキープレフトを意識して走行する傾向があるようです。
すなわち片側二車線道路であれば、通常の走行をしている車から見ると逆走車は右車線を走ってくる可能性が高いことをになります。
そのため高速道路であれば走行車線を走る方が逆走車との正面遭遇率を下げられるかもしれません。
追い越し車線を走るのは教習所で教えられた通り車を追い越す時のみにし、追い越しが終わったら早めに走行車線に戻ることを心掛けたいですね。
一般道を走る時も、片側二車線以上の道路では中央寄りの車線をできるだけ走らないようにするのが良さそうです。
JAFによる高速道路での逆走車テスト
ロードサービスのJAFが開通前の高速道路を利用して行った逆走車のテスト動画があります。
時速80km以上で走る車が多い高速道路では、逆走車を発見してから回避行動までの猶予が短くなります。
見ておくと万が一の時に参考になるかもしれません。
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なぜ逆走が発生するのか?
普通に運転しているはずなのに、なぜ逆走が発生してしまうのでしょうか?
逆走が発生する原因は一般道と高速道路で異なりますので、それぞれの例を紹介します。
一般道で逆走が発生する理由
一般道で逆走が発生するのには以下のような理由が考えられます。
- 進入禁止、一方通行などの道路標識の見落とし
- 右折時の進入車線の間違い
他にも商業施設などの駐車場内で発生したり、ドライバーの状態(認知症、精神障害、飲酒状態など)による逆走も考えられます。
【実体験】スーパーの立体駐車場で発見した逆走!
実は私もスーパーの立体駐車場で逆走を発見したことがあるんです。
私が逆走を発見した駐車場は、店舗の2階以上に設けられた立体駐車場でした。
駐車場の入口と出口が明確に分かれており、入場車と退場車が出会うことのない構造です。
買い物が終わって車に乗り込んだ私は出口側の通路を通ってきたのですが、ふと右を見ると入口側の通路からも出ようとしている車がいるではありませんか!
逆走車のおばちゃんドライバー、私、駐車場の出入りを誘導してくれる警備員さんの三者とも互いの顔を見ながら困惑…人ってビックリすると本当に思考が止まるんですよね…
一番早く立ち直ったのが警備員さんで、歩行者や車が通行していないことを確認して私と逆走車を誘導してくれました。
逆走車のドライバーは駐車場内に掲示されている出口標記を見落とし、
入口側を走行してしまったのではないかと思います
駐車場でもビックリするような逆走があるので要注意!
私の体験は事故もなく、怪我人もいなかったラッキーケースにあたると思います。
ですが、もしも入口側通路に一方通行だからと安心してスピードを出して走行している車がいたらと思うと…
この体験をするまでは「こんなにはっきり出口って書かれてる駐車場で逆走なんてないでしょ~」と安心していたのですが、認識を覆されてしまいました。
ぜひ私の体験を参考に、入口と出口がしっかり分かれている駐車場でも安全運転をしていただけたらと思います。
もしもあの時…
入口側から駐車場に入る車がいたら…
高速道路で逆走が発生する理由
高速道路で逆走が発生するのには以下のような理由があると言われています。
- ICや料金所付近で
-
- 目的の出口を通り過ぎてしまい入口車線を逆走
- 目的の出口を通り過ぎてしまい本線上でUターン
- 行き先を間違え本線を逆走
- 目的の出口を間違えUターン
- 料金所を通過後、出口車線を逆走
- 料金所出口で
-
- 一般道から料金所出口に進入し逆走
- サービスエリア・パーキングエリア付近で
-
- SA・PAの入口を出口と間違え逆走
- 行き先を間違え本線を逆走
初めて走る高速道路であったり、体調が良くない時、運転に不慣れな方など、目的としている場所とは異なる方向や出口に進んでしまうこともあるでしょう。
高速道路においては目的地への道を間違ってしまっても慌ててUターンせず、次の出口で下りる冷静さを忘れないようにしてください。
また、高速道路の出口やパーキングエリア・サービスエリアの入り口には逆走を防ぐための進入禁止の標識や進行方向の指示標識があることが多いです。
周囲を確認し、交通標識を見落とさないようにしたいですね。
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高速道路ではこれだけ逆走が発生している!
国土交通省には高速道路での逆走に関する有識者委員会が設けられてます。
逆走に関するデータを公開してくれており、実際にどの程度の逆走が起こっているのかを閲覧することができます。
高速道路における逆走発生件数の推移
以下の図は高速道路で発生した逆走事案のうち、確保できた件数の推移と事故に至った件数を表しています。
2015年の259件をピークに、2016年は249件、2017年は207件と減少しました。
2020年、2021年と200件を切っており、特に2020年は148件と非常に少なくなっていますが、私は外出自粛による車の利用者が減ったためではないかと推測しています。
2022年は高速道路で確保できた逆走事案は204件となっており、その内の約2割が死亡・負傷・物損などの事故に発展しています。
このグラフで留意しておきたいのは、高速道路で確保できた逆走の件数のみが計上されていることです。
通報はされたけれど確保できなかったケースや一般道路での逆走を含めれば、件数はもっと増加するでしょう。
高速道路における逆走の運転者の年齢
以下の図は高速道路で発生し、確保できた逆走事案の運転者の年齢の推移です。
2022年は高速道路で逆走し、確保されたドライバーのうち約7割が65歳以上と大部分を占めています。
ニュースにも高齢者ドライバーの逆走問題が取り上げられますが、逆走するのは圧倒的に65歳以上であることがデータでも裏付けされた形です。
しかしながら2011~2022年の逆走発生件数累計の割合では、逆走したドライバーのうち30歳未満が8%となっており、若いドライバーにとっても逆走は他人事ではないようです。
高速道路における逆走事故の逆走開始箇所
以下の図は高速道路で発生し、確保できた逆走事故の逆走開始箇所の推移です。
2022年は逆走事故44件のうちの59%がインターチェンジ・ジャンクションで逆走を開始しています。
インターチェンジ・ジャンクションで逆走を開始した件数の累計は2011~2022年で263件(53%)と、逆走事故のうち半数を占めており、2022年は平均より少し多かったようです。
なお、インターチェンジとジャンクションの違いは以下の通りです。
- インターチェンジ
一般道から高速道路への入り口。
料金所が設置されていることが多い。 - ジャンクション
複数の高速道路をつなぐ場所。
首都高速に多い。
衝撃的なのは高速道路の本線上で逆走を開始した件数が全体の約2割を占めていることです。
降りる予定の出口を通りすぎてしまった、目的地とは逆方向の高速道路だったなど、何らかの理由で意図的に逆走を開始しているドライバーも含まれていると考えられます。
高速道路における逆走の動機別推移
以下の図は高速道路で発生し、確保できた逆走事案の逆走の動機別推移です。
2015~2022年の累計件数のうち、故意に逆走を行ったものが389件(23%)、過失が642件(39%)、逆走の認識がなかったものが431件(26%)、その他・不明が193件(12%)となっています。
故意に逆走を行ったものが約2割となっており、危険だと知りながらも意図的に高速道路を逆走するドライバーが一定数存在しているようです。
一方で過失・認識なしは合わせて約7割と大多数を占めており、主な逆走開始要因は以下のように表記されていました。
- 過失
-
- 高速道路の出入口に誤進入
- カーナビの案内を誤認等
- SA・PA入口から誤進出
など
- 認識なし
-
- 逆走の認識無し(認知症の疑い)
- 高速・逆走の認識なし(認知症の疑い)
- その他
過失と認識なしを合わせると逆走を開始したドライバーのうち約7割が自分が逆走していることに気付いていないようです。
自分は正常な運転を行っていると思い込んでいるのですから、自分から止まらないのも自然な成り行きなのかもしれません。
データは氷山の一角
ご紹介したデータは逆走が発生した件数のうち、確保ができたもののデータとなっています。
通報はされたけど確保に至らなかったもの、ドライバー自信で逆走に気付き正常な運転に復帰したものなどは含みません。
そのためデータは氷山の一角であり、実際にはもっと多くの逆走が発生していることが予想されます。
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まとめ 逆走車を見かけたら
逆走車との遭遇は自分ではどうしようもないことですが、見つけたら警察(110番)や道路緊急ダイヤル(#9910)に連絡することが大切です。
連絡は運転中のドライバーが行うのではなく同乗者に行ってもらい、一人で運転している場合は安全な場所に停車してから連絡するように気を付けてください。
その際、逆走車を発見したポイントや車の特徴なども伝えられると良いので、安全な場所であればドライブレコーダーの画像を確認しておくと話がスムーズに進む可能性があります。
逆走しているドライバーの多くは自分が逆走していることに気が付いていません。
そのため正面から逆走車が来るのが見えた場合は、正常な運転をしているドライバーが回避行動を取る必要がありそうです。
その際、急ブレーキを踏むと後続車の追突に繋がりかねず、最悪の場合は自分の車が逆走車と追突車の板挟みとなる非常に危険な状態も考えられます。
普段から隣の車線の状況を把握する習慣をつけ、有事の際に隣の車線や余裕のあるスペースに避難できるよう、安全運転を心掛けるのも大切だと思います。
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