駐車している車で、ワイパーを立てている(上げている)車を見たことはありませんか?
雪国に住んでいる方にとってはワイパーを上げておくのは当たり前のようですが、雪の少ない地域の方ですと初めて見た時にはビックリするかもしれません。
車のワイパーを立てるのにはちゃんとした意味があって、場所によっては重要な意味を持っているんです。
ワイパーを立てるのが雪の日か夏の日かによっても立てる意味が異なりますので、何を目的とした行動なのかを解説します。
特に雪の少ない地域の方が雪国に遊びに行く時・移住する時などは重要ですよ!
冬・雪の日に車のワイパーを立てる意味は?
冬の雪の日に車のワイパーを立てておくのは雪の多い地域では日常的なことです。
ワイパーを立て忘れてしまうとワイパーの破損などに繋がり、最悪の場合は車を修理に出さないといけなくなってしまうので、結構重要なんです。
それでは、なぜワイパーを上げることが大切なのか、理由を解説していきます。
ワイパーの凍結による破損や車両の故障を防ぐため
雪が降る時は気温が低く、ワイパーゴムが凍結する可能性があります。
フロントガラスに接触したままワイパーゴムが凍ってしまうと、フロントガラスにワイパーが張り付いて動かせなくなってしまうのです。
凍ってフロントガラスに張り付いたワイパーを動かそうとすると、車にとって様々な危険が待ち受けています。
- ワイパーブレードのゴムが剥がれたり、変形してしまう
- ワイパーアームが変形・破損してしまう
- ワイパーを動かすモーターに過剰な負荷をかける
モーターに過剰な負荷をかけるとコイルが焼けるなどして故障の原因となってしまいます。
そうなるとディーラーや修理工場送りになり、いらぬ出費になりかねません。
運よくワイパーを動かせたとしても、凍って固くなったゴムがフロントガラスを傷つけることもありますので、ワイパーを上げておきフロントガラスに張り付かないようにすることが大切なんです。
ワイパーを立て忘れてフロントガラスにワイパーが張り付いた場合は残念ながら氷が解けるのを待つしかありません。
フロントガラスの雪かきをしやすくするため
車を動かすとなった時にフロントガラスに雪をつけたまま走るわけにはいきませんので、雪かきをする必要があります。
しかし、凍結したワイパーがフロントガラスに張り付いたままですと、雪かきの際にワイパーを壊してしまう可能性も考えられますよね。
実際、雪かき用の道具でワイパーを傷つけてしまう方も少なくないようです。
結果として慎重に雪かきをしなければならないため、時間がかかってしまうことに。
少しでも雪かきをしやすくするために、ワイパーを立てておくのは有効なんです。
車のワイパーを立て忘れた時はワイパーの解凍を
雪の日には車のワイパーを立てておくことが大切だと分かっていても、忘れてしまうこともあると思います。
ワイパーのゴムが凍結してフロントガラスにワイパーが張り付いてしまったら、決して無理に動かさないでください。
ゴムの剥がれや変形・ワイパーアームの変形や破損・モーターの故障につながります。
フロントガラスにワイパーが張り付いてしまったら以下の方法で剥がすのが良いですよ。
- 自然に解凍するのを待つ
- エアコンの暖房で温めて解凍
- 解氷スプレーを使用する
いずれの方法でも車を動かせるようになるのに時間がかかりますので、出来るだけワイパーを立て忘れないようにしたいですね。
「冬にワイパーを立てることが重要なのは分かったけど、強風の時はどうすれば良いの?」とお悩みの方もいるかもしれません。
強風の時でもワイパーを立てる方が良いのか、雪の降る日でもワイパーを立てない方が良いケースはないのかについて以下の記事で解説しました。
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夏に車のワイパーを立てる意味は?
冬にワイパーを立てる意味があるのは分かった!
前の家が夏でも車のワイパーを立てるんだけど、意味はあるの?
夏の暑い日に車のワイパーを立てる人もいますよね。
凍結する訳でもないのにワイパーを立てるのはワイパーゴムの劣化を防ぐためです。
猛暑日の車内の温度がどれほどになるのか、JAFの実験で驚きの結果が出ていますので引用します。
外気温が35℃の環境下で行ったテストでは、それまでエアコンが効いていて25℃程度だった車内温度が、エンジンを切って駐車し始めると1時間経たずに50℃をオーバー。直射日光が当たりやすいダッシュボードの温度は70℃を超えました。
https://kurukura.jp/safety/190708-51.html
フロントガラスの温度は測定していないようですが、直射日光の当たるフロントガラスも高温になっていることが推測されます。
そのような高温になっているフロントガラスに長時間ワイパーゴムを接触させておくと次のような心配があります。
- ワイパーゴムが変形・劣化してしまう
- 押し付けられたワイパーの跡・スジがフロントガラスに付いてしまう
他にも、ワイパーを寝かせたままにしておくと風で飛んできた木の葉や砂埃などがワイパーとフロントガラスの間に溜まります。
ゴミが溜まっていることに気付かずワイパーを動かせば、フロントガラスやワイパーゴムにキズが付いてしまいますので、それを避けるためにもワイパーを立てることもあるんです。
結局のところ夏場にワイパーを立てる一番の目的は「ワイパーブレードやワイパーゴムを長持ちさせること・車を傷つけないこと」と言えますね。
夏でも冬でもないのにワイパーを上げる理由は?
お隣の人は春なのにワイパーを立ててるんだけど…
夏でも冬でもないのにワイパーを立てている車を見かけるかもしれません。
地域によっては、カラスからワイパーを守るために立てることもあるんですよ。
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ワイパーが立てられないコンシールドワイパーの場合は?
外車や高級車の中にはエンジンを停止させるとワイパーがボンネットの中に隠れる「コンシールドワイパー」と呼ばれるワイパーが存在します。
コンシールドワイパーが採用されている車の中にもワイパーを立てることができる車種があり、以下の2種類の方法でワイパーを立てることが可能です。
- ワイパーを手で引き出して立てる
- 「ワイパースイッチ」を使用してワイパーを収納位置から出してから立てる
詳しい操作方法は以下のトヨタの動画が非常にわかりやすいです。
ワイパーを立てたままの状態で動かしてしまうと破損する可能性があります。
立てた後は元の位置に戻してから使用してくださいね。
動画の方法でワイパーが立てられない車種の場合はディーラーに相談することをおすすめします。
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まとめ 車のワイパーを立てる意味は冬と夏で違う!
車のワイパーを立てる意味を解説しました。
ワイパーを上げておく理由は夏と冬・雪の日では意味が異なります。
季節別 ワイパーを立てる理由
- 冬・雪の日の場合
- ワイパーが凍結して動かなくなるのを防ぐため
- ワイパーや車両の故障を防ぐため
- フロントガラスの雪かきをしやすくするため
- 夏の場合
- ワイパーブレード、ワイパーゴムを長持ちさせるため
- フロントガラスにワイパーの跡が付かないようにするため
- 砂埃などがワイパーとフロントガラスの間に溜まるのを防ぐため
ワイパーを上げてく理由は季節によって異なりますが、冬場にワイパーを立てるのは雪の多い地域では非常に重要です。
雪の少ない地域から旅行に行く時にはワイパーを立てるのを忘れないようにしたいですね。
「冬にワイパーを立てることが重要なのは分かったけど、強風の時はどうすれば良いの?」とお悩みの方もいるかもしれません。
強風の時でもワイパーを立てる方が良いのか、雪の降る日でもワイパーを立てない方が良いケースはないのかについて以下の記事で解説しました。
ところで「夏でも冬でもないのにお隣さんはワイパーを立てるんだけど、どんな意味があるんだろう?」と気になっていませんか?
季節問わずワイパーを立てるのはワイパーブレードの劣化を防ぐ以外にも、カラスのいたずら対策をしている可能性もありますよ。
以下の記事で詳しく解説しました。
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