押しがけとはマニュアル車のバッテリー上がりの回復方法。やり方は?最近の車でできるのか、一人でできるのかも解説

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「押しがけ」とは車のバッテリーが上がった時の対処法の一つです。

バッテリーが上がった際の対処方法には主に以下のような方法がありますよね。

  • 他の車両にジャンプスタートをしてもらう
  • ジャンプスターターを使用する
  • ロードサービスなどに依頼する

上記はオートマ車でもできるエンジンの復帰方法ですが、「押しがけ」はマニュアル車特有のエンジンの復帰方法で、基本的には二人以上で協力して行う方法です。

押しがけは教習所では習わないため、実際にどのようにすれば良いのか、やり方を知らない方も少なくないと思います。

そこで本記事では以下のことを解説します。

  • 押しがけのやり方
  • 押しがけの亜種 引きがけについて
  • 最近のマニュアル車でも押しがけをして大丈夫?
  • 押しがけ以外のバッテリーの復帰方法
目次

マニュアル車のバッテリー上がり対処法 押しがけと引きがけ

押しがけとは、車を後方から押してエンジンを掛ける方法の呼び方です。

一部のマニュアル車(MT車)のみに利用できるバッテリー上がりの解消方法で、残念ながらオートマ車(AT車)には対応していません。

押しがけの派生形として「引きがけ」という方法もありますので、それぞれご紹介します。

押しがけのやり方は?

押しがけのやり方は以下のようになっています。

  1. 運転手が運転席に座り、イグニッションキーをオンにし、シフトをNに入れる。
  2. ギアを2速に入れ、クラッチペダルを踏んだ状態で車体を後ろから押してもらう。
  3. 5~10km/hくらいの速度がついたらクラッチペダルを離し、アクセルを操作してエンジンを始動させる。

車を運転する人、車体を後ろから押す人の二人以上で行うのが押しがけの基本形です。

一人で押し掛けする猛者もいる…?

世の中にはたった一人でマニュアル車の押し掛けをする猛者も存在しているようです。

詳しい解説動画がありましたのでご紹介します。

軽トラ・軽自動車のように車両の重量が軽くないと動かすことは難しそうですが、坂道などの傾斜を利用すればワンチャン可能かもしれません。

ある程度の広さのある場所でないと危険が伴いますので、試さなければならない場合は安全確認を十分なさってください。

派生で「引きがけ」という方法もあり!

近くを通りがかった車が止まってくれた!
でも乗っている人が女性だから押してもらうのは無理そう…
ブースターケーブルもないからジャンプスタートはできない…

そんな時でもMT車なら『引きがけ』でエンジンを始動できる可能性があります。

引きがけとは、バッテリーが上がった車を他の車に牽引して速度を上げてもらい、エンジンを始動する方法です。

救援者が一人だけでも、女性であっても出来ますので、牽引ロープさえあれば希望は残されています。

バスレベルになると押し掛けするのに何人の力が必要になるのかわかりませんが、動画では引きがけでエンジンをかけることが出来たようです。

マニュアル車のオーナーさんは何かあった時のために牽引ロープを積んでおくのも保険として良いかもしれませんね。

最近のマニュアル車でも押しがけをして良いのか?

押しがけは古いマニュアル車であれば可能でした。

ですが、最近の車は昔よりも車両重量が重いことはもちろんのこと、電子制御されている部分も多くなっています。

押しがけをする際に関係のありそうなシステムの例を挙げると、「パワーステアリング」は関係してくるのではないでしょうか。

パワーステアリングシステム
ステアリング操作をサポートしてくれるシステム。
最近の車は女性であっても片手でハンドル操作をできるが、このシステムのおかげ。
パワーステアリングシステムが機能していないとハンドルは重くなり、通常時とは操作感が大きく異なる。

他にもブレーキペダルのアシスト機能やシートが電動式になっているなど、運転に重要な様々な機能が電子制御されています。

しかしバッテリーが上がっているとエンジンがかからないため、これらの電子制御システムは機能しません。

そのため押しがけは危険を伴う可能性もあり、最近のマニュアル車の取扱説明書にはバッテリー上がりの対処法として押しがけはしないように記載しているメーカーもあるようです。

古い車の場合はできたらラッキー!レベルで頭の片隅に入れておくのが良いかもしれませんね。

上の動画ではスイフトスポーツで押しがけができたと紹介されています。

スイスポオーナーさんの希望になりそうですね。

バッテリー上がりが自然に回復しない時の復活方法

残念ながらバッテリー上がりが自然に復活しなかった場合は他の方法で回復させるしかありません。

次のいずれかの方法でエンジンを再始動させた後、30分~1時間程エンジンをかけたままバッテリーを充電する必要があります。

上がったバッテリーの復活方法
  • 他の車にジャンピングスタート(ジャンプスタート)をお願いする
  • ジャンプスターターを使用する
  • ロードサービス(JAFなど)の利用

それぞれのバッテリーの復活方法を解説します。

ジャンプスタート(ジャンピングスタート)をお願いする

ジャンプスタート(ジャンピングスタートとは他の車のバッテリーから一時的に電力を供給してもらい、故障車のエンジンをかける方法です。

ブースターケーブルと呼ばれる専用の道具が必要ですので、故障車か救援車がケーブルを持っていなければ出来ない対処法であるという難点があります。

ブースターケーブルのつなぎ方

ブースターケーブルで故障車と救援車を繋ぐのには正しい順番があります。

順番通りに行わないと救援車の故障にも繋がりかねませんので注意が必要です。

ロードサービスのJAFがブースターケーブルの繋ぎ方を動画にしてくれていますので、確認しながら行うのが安全です。

ジャンプスタートを依頼する時の注意点

ジャンプスタートをする時には、車両の種類に注意すべきポイントがあります。

  • バッテリーの電圧が異なる車両ではジャンプスタートはできない
    例えば普通乗用車(12vのバッテリーが多い)のジャンプスタートを、トラック(24vのバッテリーが多い)が行ってあげることはできません。
  • ハイブリッド車は救援車になれない
    HV車はバッテリーの他にも高電圧な駆動用バッテリーを搭載しています。
    ジャンプスタートを行うと大量の電流が電源系統やエンジンに流れ、故障する恐れがあるため、救援車に用いることはできません。
  • 電気自動車も救援車にはなれない
    日産の公式サイトによれば、電気自動車も救援車にはなれないとのことです。
紙免克子

救援してくれる車に迷惑をかけないためにも、
ジャンプスタートをお願いしても問題ない車両か
事前に確認が必要ということですね

ジャンプスターターを使用する

ジャンプスターターとはエンジンをかける道具です。

この機械を持っていれば一人でもバッテリー上りに対処できますので、バッテリーの充電に不安がある場合はトランクに入れておくのが良さそうですね。

あまり車通りの多くない場所にアウトドアに行く時などは持って行くと非常に安心です。

ジャンプスターターには手ごろな価格の中国製もありますが、常に車に入れておく道具・非常事態に使用する道具はやはり日本ブランドが安心だと思います。

日立のジャンプスターターはバッテリー上がりの対処だけでなく、バックアップ電源・直流機器のサブ電源・モバイルバッテリー・LEDライトとしても使えます。

災害時に欲しい機能が備わっていますので、防災グッズとしても良いですね。

ロードサービス(JAFなど)の利用

エンジンを始動させる道具を持っていなかったり助けを求められる人が近くにいない場合は、以下のようなロードサービスに救援を依頼するのが一般的です。

  • JAF
  • 自動車保険に付帯のロードサービス
  • 専門業者

JAFの場合は会員なら無料で依頼することができます。

バッテリー上がりの対処は自動車保険に付帯していることもありますので、保険内容を確認しておくと良いですよ。

JAFでしたらバッテリー上がりはもちろん、タイヤのパンクなど各種トラブルに対応してもらえます。

自動車保険とは異なり会員自身に保険がかかるため、自分の車のトラブルはもちろん、レンタカーの時、友人の車に同乗した際のトラブルも無料で対応してもらえますよ。(有料のケースもあります)

さらに詳しいJAFの情報は以下の記事で紹介しています。

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紙免克子

親戚の車を利用した時にバッテリーが上がってしまい、
JAFに救援を依頼したことがありました(しかも2回も)
会員のため無料で対処してもらえ、非常にありがたかったですよ

「JAFに加入していない!自動車保険にロードサービスも付帯してないのにバッテリーが上がっちゃった!」

そんな時にはバッテリー上がり対応の専門業者【カーバッテリー110番】に電話しましょう!

【カーバッテリー110番】は24時間365日対応、最短5分で現場に駆けつけてトラブルを解消してくれます。

車のバッテリー上がりの原因は何?

そもそも、車のバッテリーはなぜ上がるのでしょうか?

バッテリー上がりというのは、「バッテリーの電力容量が減って車が動かなくなった(エンジンがかからなくなった)状態」のことです。

自動車はエンジンが回転することで「オルタネーター」という発電機が働き、電力を蓄積していきます。

バッテリーの電力容量が不足している状態ではエンジンをかけるための電力の供給ができないので、エンジンが止まった状態ではオルタネーターは動かず、発電されることもありません。

バッテリーが上がってしまう(バッテリーの電力容量が不足してしまう)原因としては以下のことが考えられます。

  • バッテリーの劣化
  • バッテリーの充電不足
  • 電気の使い過ぎ
  • ライトのつけっぱなし など

バッテリー上がりの原因1:バッテリーの劣化

バッテリーの寿命は2~5年といわれています。

スマホを例に考えるとわかりやすいと思いますが、古くなったバッテリーは蓄電能力が衰えたり放電が早くなるため、バッテリーが上がる可能性も高くなります。

バッテリーは消耗品なので、使用年数にあわせて交換するのが安心です。

バッテリー上がりの原因2:バッテリーの充電不足

バッテリーは走行中に発電された電力を充電していますので、走行時間が短いと電力不足になります。

特に電圧を消費するのはエンジンをかける時ですが「一度エンジンをかければ30分間は充電が必要」といわれるほど、エンジンをかけるのにはパワーが必要なんです。

走行回数が多くても走行時間が短いとバッテリーが上がる危険性は高くなります。

近場へのちょい乗りが多い方は、一度エンジンをかけたらバッテリーのためには少し走ってあげることを心掛けたいですね。

アイドリングストップはバッテリーに負担をかける?

消費電力はエンジンをかける際が最も高いので、アイドリングストップから復帰する際にも大量の電圧を消費しています。

アイドリングストップ車には専用のバッテリーが積まれているとはいえ、頻繁にアイドリングストップと復帰を繰り返すことは当然ながらバッテリーには大きな負担に…。

私は渋滞の時や信号の間隔が短い時などストップ&ゴーを短い頻度で繰り返す時には、バッテリー上がりを防止するためにもアイドリングストップをオフにしてしまっています。

また、夏場はエアコンを使用して電気を消費しやすいため、アイドリングストップをオフにしてしまうことも少なくありません。

紙免克子

前は燃費を少しでも良くするためアイドリングストップ至上主義でした。
最近ではバッテリーが消耗する方が結果的に高くつくのでは?
と考えています。

バッテリー上がりの原因3:電気の使い過ぎ

  • エアコンをかける
  • オーディオをかける
  • 車内の電気を点ける
  • ライトを点灯させる

いずれもバッテリーの電力を多かれ少なかれ使用していますが、走行中でもオルターネーターの供給量より電気の使用量が上回れば電力不足になります。

カーナビの使用や車内でのスマホ充電も当たり前になるなど、車の電装品も増えているため、昔に比べると車の電気使用量は多くなりました。

他にも電気を使うアクセサリーなどを付ければ電力消費はさらに多くなりますので、ある程度はセーブすることも必要かもしれません。

バッテリー上がりの原因4:ライトのつけっぱなし

やってしまいがちなのがライトの点けっぱなし。

室内灯やハザードなどを点けたままにしておくとバッテリーの電気をどんどん消費してしまいます。

点けるライトによっては5時間ほどでバッテリーが空っぽになってしまうのだとか…。

「夜間にライトを消し忘れ、翌朝車を使おうとしたらエンジンがかからない!」

なんてことも結構あるようですので、ライトの消し忘れには十分注意したいですね。

紙免克子

うっかり室内灯を消し忘れたまま一晩放置してしまったことがありました。
幸いにも事なきを得ましたが、念のため30分ほど目的のないドライブをしてきました。
電気系統をつけっぱなしにした時は走行して充電するのがバッテリーのためかと思います。

まとめ マニュアル車のバッテリー上がりの解消方法

マニュアル車のバッテリー上がりには、オートマ車では出来ない「押しがけ」と呼ばれる対処法を取ることができます。

しかし、最近のマニュアル車は電子制御されているシステムも多く、車両重量自体も重いため、押しがけでエンジンスタートをするのは難しいかもしれません。

車両の取扱説明書に押しがけはしないように記載しているメーカーもあるため、最近の車よりも少し古いタイプのマニュアル車のバッテリーが上がった場合に検討する対処法と言えるでしょう。

車のバッテリー上がりの回復方法には押しがけ以外にも複数ありますので、状況に応じた方法を選ぶのが良さそうです。

  • 他の車にジャンプスタートをしてもらう
  • ジャンプスターターを使用する
  • ロードサービスなどに依頼する

バッテリーが上がってしまうと、バッテリーの寿命を縮めることに繋がります。

できるだけ早めの対処が大切ですので、JAFに加入していたり自動車保険にロードサービスが付帯しているならば救援を依頼するのが確実ですよ。

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この記事を書いた人

元ペーパードライバー歴10年。
学生時代より運転神経に自信がなく、奇跡的に免許を取得するも運転に苦手意識を持ち、晴れてペーパードライバーとなる。
家族の協力を得て2019年3月より運転の練習を開始、2020年1月に一人で運転を達成。
ペーパードライバーとしての任を終え「現役ドライバー」と名乗れるように。
現在は愛犬にドライブ慣れをさせるべく奮闘中。

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