車の安全装備の一つ「ABS」は、近年は多くの車に搭載されています。
しかし他の安全装備とは異なりABSを使用した記憶がないため、どのような機能なのかご存知ない方もいると思います。
それもそのはず、ABSは自発的に使用するものではなく、危険が迫った時に勝手に作動してくれるシステムなんです。
とはいえ得体の知れなさから車のエンジンがかからない時に偶然ABSランプが点灯していると「ABSの故障が原因か?」と疑ってしまう場合も多いようです。
- ABSとはどのような機能なの?
- ABSのランプが点灯した時(正常時と異常時の判別)
- ABSの異常が原因で車のエンジンがかからない?
- 運転中にABSが作動した時の対処方法
上記のことを解説します。
ABSとはどのような機能なの?
「ABS」とは「アンチロック・ブレーキング・システム」の略称です。
車は急ブレーキを踏むとタイヤがロックされ、ハンドル操作ができなくなり、車体がスピンしてしまいます。
ABSは急ブレーキ時にタイヤがロックするのを回避するための安全装置です。
タイヤの横滑りを防ぎスピンを防ぐことができるので、障害物をハンドル操作で回避することができます。
ABSが活躍するシーンは?
ABSはタイヤがスリップしやすい路面で活躍します。
- 雪道
- 雨などで濡れた路面
- 凍結路面 など
上記の様な路面で強くブレーキを踏み込むと、タイヤがロックされると同時にスリップし、車はコントロールを失ってしまいます。
そのような事態を避けるのがABSです。
タイヤがスリップしやすい路面をABSの搭載されていない車で急ブレーキをかけなければいけない場合は「ポンピングブレーキ」が有効です。
そもそもABS自体がポンピングブレーキを自動的にやってくれるシステムです。
現代の車でわざわざポンピングブレーキを使う必要がないのは、多くの車にABSが搭載されているからなんですね。
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ABSのランプが点灯した時(正常時と異常時の判別)
車のフロントパネルには「ABS」のランプが存在し、ABSが作動した時などにランプが点灯します。
ABSが作動していないのにランプが点灯・点滅した場合には何かしらの異常が発生している可能性がありますので、正常なランプの点灯と異常なランプの点灯を解説します。
正常なABSランプの点灯
車のエンジンをかけた時にABS警告灯が点灯し、数秒後に消灯するのが通常の状態です。
異常なABSランプの点灯
ABS警告灯が(急ブレーキを踏んでいないのに)運転中に点灯している場合、もしくは点いたり消えたりを繰り返す状態は異常な点灯です。
この場合は何かしらの不具合が車に起こっていたり、ABSが故障している可能性があります。
- ABSのシステムの不具合
- テールランプに問題が発生(メーカーによる)
- バッテリーの電圧が低下 など
通常の走行には問題ありませんが有事の際にABSが作動しない可能性もありますので、ディーラーや修理工場に点検してもらうのが安心ですね。
ABSの異常が原因で車のエンジンがかからない?
走行中にABSランプが点灯し、その後エンジンがかからなくなった場合はABSが原因でエンジンが不調になったと思うかもしれません。
しかし、ABSはブレーキの安全装置です。
万が一ABSが壊れてしまったとしてもエンジンの不調には基本的に関係ありません。
エンジンがかからない原因は他の部分に存在します。
- 鍵・セキュリテイ関係の不具合
- バッテリー上がり
- エンジン本体、システムや部品の不具合
バッテリーの電圧が低下するとABSの警告灯が点灯・点滅をすることがありますので、まずはバッテリー上がりを疑うのが良いかもしれません。
バッテリー上りに関しては別の記事で解説しています。
出先でエンジンに問題が発生したらJAFの要請を
出先でエンジンがかからないなどの状況に陥ったらJAFを要請するのがオススメです。
バッテリー上がりの疑いが強いなら近隣のガソリンスタンドに行ってジャンプスターターを借りるという手段もありますが、必ずしも徒歩圏にガソスタがあるとは限りません。
JAFは会員であれば様々なトラブルを無料で対応してもらえますので(一部有料サービスあり)、車を運転するのであれば加入しておくと安心ですね。
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運転中にABSが作動した時の対処方法
緊急ブレーキをかけてABSが作動すると、実際にはどんな動作が起こるのでしょうか。
まず、踏み込んだブレーキペダルに強い振動を感じ、作動音が聞こえます。
通常の走行では聞こえないような「ガガガ…」という音ですので、驚いて足を外してしまいたくなりますが、これはABSが作動している証拠です。
そのままブレーキを踏み続けて大丈夫です。
このとき、スピードメーターの中のABS警告灯が点灯し、ABSが作動していることを知らせてくれます。
ABS作動中はポンピングブレーキを使用するとABSの作用がうまくいきませんので、ABSが作動したらブレーキを踏む力は緩めず、ハンドル操作だけに集中することが大切です。
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ABSランプとエンジンの問題 まとめ
「ABS」とは「アンチロック・ブレーキング・システム」の略称で、滑りやすい道路で活躍する機能です。
車は急ブレーキを踏むとタイヤがロックされ、ハンドル操作ができなくなり、車体がスピンしてしまいます。
ABSは急ブレーキ時にタイヤがロックするのを回避するための安全装置です。
ABSランプはエンジンを入れた時に一瞬点灯して数秒で消えるのが正常で、走行中の点灯や点いたり消えたりを繰り返していると何かしらの異常が発生していると考えられます。
エンジンがかからなくなる前にABS警告灯が点いているのを確認した場合、ABSの異常でエンジンが発生しないと考える方もいますが、エンジンとABSは別物ですので原因は他にあります。
バッテリーの電圧不足でABSランプが点灯・点滅することもありますので、エンジンがかからない場合はまずはバッテリー上がりを疑う方が良いでしょう。
いずれにせよ、ABS警告灯に異常が発生しているようであればディーラーや修理工場で点検をしてもらうのが安全運転につながります。
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