先日、アクセルとブレーキのペダル踏み間違いによる事故に関する記事を書きました。
あちらの記事では、事故の原因別割合や発生する原因の推測などを書きましたが、ペーパードライバーや若い方が踏み間違いをしにくくなる対策に関してはあまり書けていません。
今回は踏み間違いの対策・防止に少しでも役立ちそうな運転の練習のコツなどを若い方やペーパードライバーを克服したい方向けに書いています。
記事の前半はデータから踏み間違いをしやすい年代・状況などを解説していますので、練習方法の内容などは「踏み間違いをしにくいペダルの踏み方」以降をご覧ください。
ただし、科学的な根拠に基づくものではなく、全て私自身の経験からの練習方法であることをご了承いただいたうえ、安全に十分注意して練習なさってください。
ペダルの踏み間違い事故は若い人でも起こり得る
上の図は交通事故総合分析センターが発表した論文『アクセルとブレーキペダル踏み間違い事故の特徴と対策』内に掲載されているグラフです。
ドライバーの操作不適による自動車事故の原因を年齢別にグラフにしたものです。(平成24~28年)
グラフでは75歳以上のドライバーが最もペダルの踏み間違い事故の割合が高く、3%に達しています。
そして注目すべきは2番目にペダルの踏み間違いの割合が高いのが24歳以下のドライバーであり、約1.5%だということです。
『アクセルとブレーキペダル踏み間違い事故の特徴と対策』ではアクセルとブレーキを踏み間違え事故の人的要因(身体的・精神的要因)で最も多い要因を「焦り・パニック」であると述べ、次に高い要因を「高齢」だと述べています。
あくまで個人的な意見ですが、24歳以下の層で踏み間違いによる事故が多いのは、運転の経験不足により不測の事態への対処がわからず焦り・パニックに陥ってしまい、事態が深刻化してしまうのではないかと考えています。
踏み間違い事故の多くは駐車をしようとしている時に起こる
上の図も交通事故総合分析センターが発表した論文『アクセルとブレーキペダル踏み間違い事故の特徴と対策』内に掲載されているグラフです。
ペダルの踏み間違いによる事故がどのような場所で発生したかを年齢別に表したグラフとなっています。
踏み間違いによる事故が最も多いのは、いずれの年代でも一般交通の場所(駐車場等)となっており、駐車をしている最中のペダルの踏み間違いの可能性が高いことが窺えます。
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なぜ若い人でも踏み間違いをしてしまうのか?
なぜ若いドライバーでも踏み間違いによる事故を起こしてしまうのでしょうか?
先にも述べた通り、あくまで個人的な意見ではありますが、若いドライバーの場合は運転経験の不足が原因ではないかと思っています。
私自身も事故には発展しないレベルの踏み間違いを何度かしましたが、ほとんどがペーパードライバーを克服するための練習中に発生しました。
そして、踏み間違いは全て駐車(車庫入れ)中に発生していました。
私自身の経験から、車庫入れ中に踏み間違いが発生しやすいのは以下のような条件があるからではないかと考えています。
- 使用頻度の少ないバックを使用すること
- 後方を見るために体を捻るなど、普段とは異なる体勢になること
- 前方・後方・ルームミラー・サイドミラーなど見るべき部分が多い事
- 車庫入れの経験不足
- 車庫入れの苦手意識
- (お店の駐車場などでは)他のドライバーを待たせているという焦り
これらは全て私自身がペーパードライバーを克服しようとしていた時と、克服できた現在を比較しての考えです。
現在では踏み間違いはないので若いドライバーが踏み間違いをしてしまう原因として、やはり「車を動かす経験の不足」の問題が大きいのではないかと思います。
ペーパードライバーを克服しようと頑張っている方のうち、踏み間違いをしてしまった方でも事故に繋がっていない限り練習すれば改善の可能性はあるのではないでしょうか。
(事故になった方だとトラウマで運転できなくなっているかもしれませんので…)
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踏み間違いをしにくいペダルの踏み方
教習所ではペダルの踏み方も教えられましたが『アクセルは踵をフロアに付けてつま先で踏み、ブレーキは足の裏全体で体重をかけるようにして踏む』と教わりませんでしたか?
私自身はこの踏み方で指導を受けましたが、これは古い車向けのペダルの踏み方だという話があります。
昔の車はブレーキペダルが固く、体重をかけないとブレーキが利かなかったそうなのです。
しかし、現在は車の進歩により体重をかけなくてもブレーキが作用するようになっていますので、教習所で教わった踏み方は現在の車にはそぐわないものだそうです。
教習所で習った踏み方を実践していて、踏み間違いを矯正したいと考えている方は次の踏み方を試してみてください。
かかとを軸にして爪先を動かす方法
- 右足の踵はフロアに付け、つま先はブレーキペダルに乗せる。
- 踵を置く位置は足をブレーキペダルに乗せた状態で、足がまっすぐになる位置。
- アクセルペダルを踏むときは踵を浮かせず、足首を捻ってつま先だけで踏む。
- ブレーキペダルに戻す時も踵を浮かせずにつま先で踏む。
- 踵を軸にしてつま先を動かすイメージ。
この方法ですと軸となる踵がフロアに付いているため正しい足の向きはブレーキペダルを踏んだ状態となり、アクセルペダルは足を傾けなければなりません。
そのため自分の足がどちらのペダルを踏んでいるか足の向きで分かるメリットがあります。
また、足の裏全体でブレーキペダルを踏まないので、思っていたよりもブレーキを踏む力が強かったという事が少なくなり、繊細なペダル使いが出来るというのもメリットです。
私が実践しているペダルの踏み方
上記の踏み方は踏み間違いが少なくはなりますが、足が小さいなどの理由で実践が難しい方もいらっしゃると思います。
私も小柄で足が小さく、上記の踏み方は少々難しいのが実際のところです。
そこで、私が過去のアクセルペダルとブレーキペダルの踏み間違いから意識していることをご紹介します。
教習所で習った動作を少しオーバーにやっています。
足を大きく動かすことによって、しっかり隣のペダルに足をかけた事を実感できるからです。
現時点では踏み間違いなどは起こっていませんが、この方法でも問題が出てきたらさらに改良する予定ではいます。
とはいえ、一旦ペダルから足を離して踏み替えをしていますので、踵を軸にした動かし方の方が踏み間違いの可能性は圧倒的に少なくなります。
私のように足が小さい等の不都合がない限り、先にご紹介した踏み方の方が安全です。
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運転に慣れることで焦り・パニックを減らす
ペーパードライバーを克服したい方の中には、踏み間違いをして運転に自信がなくなってしまった方もいるかもしれません。
「自分には運転のセンスがない」と克服を諦める前に、一度以下の練習方法を試してみてはいかがでしょうか。
ペーパードライバーの方に試してみて欲しい練習方法
若い方のペダルの踏み間違いは運転経験の不足から来るものだと仮定しています。
その上で、まずはペダルの位置を足で覚えるための練習です。
ペダル操作の練習方法
- 車のエンジンはかけずに運転席を正しいドライビングポジションに調整する。
- ギアがパーキングになっていること、サイドブレーキがかかっていること、エンジンがかかっていないことを再度確認する。
- アクセルを踏む→ブレーキを踏む→アクセルを踏む→…
この動作を何度も繰り返す
この動作はアクセルペダルとブレーキペダルの位置を体に覚えこませることを目的としています。
何度もペダルの位置を足で確認することによって踏み間違いの可能性を少しでも低くできるのではないか?というのが私の考えている仮説です。
エンジンがかかっていませんし、サイドブレーキもかかっておりギアがパーキングになっている以上、車が動き出すことはありません。
もちろんバックをする時のように後ろを振り向きながらアクセルとブレーキを交互に踏むのも有効だと思います。
多くの踏み間違い事故が駐車場で起こっている事を考えると、むしろバックの体勢で踏む練習をする方が大切かもしれません。
車が変わると踏み間違いの可能性が高くなる?
実はアクセルペダルとブレーキペダルの位置(距離)は車種によって異なるのだそうです。
これは30台以上の車を乗り継ぎ、小さいものは軽自動車から大きいものはアメ車シボレーのアストロまで乗った私の母が言うので信ぴょう性は高いと思います。(私はまだ教習車入れて4台くらいしか乗ってない)
画像の車がシボレーのアストロです。
横幅が2mほどあり、女性が都内で乗り回すには運転が上手じゃないと難しい車ですので、母の車好き度合いと運転技術の高さがちょっと伝われば信ぴょう性は高くなるかと…。
話は戻りますが、車種によってペダル間の距離が異なるため、当然ながら車を乗りかえれば踏み間違いの可能性も出てきます。
そしてペダル間の距離は車が大きくなるにつれて広くなる印象があったそうです。
プリウスで踏み間違いが頻発していた時も、ペダル間の距離が踏み間違いをしやすい距離ではないか?と言われていましたね。
車を買い替えたら上でご紹介した踏み替えの練習をして、新しい車のペダルに慣れるのも良いかもしれません。
駐車・車庫入れはアプリで経験を積む
最も踏み間違い事故が起こりやすい車庫入れは、足・手・目・思考の複数の行動を一度に行う非常に複雑な作業です。
特にペーパードライバーの方であれば苦手意識の強い方が多いと思います。
そして複雑で苦手意識が強いからこそ、上手く出来なくて焦ったりパニックに陥ってしまうものです。
私もペーパードライバー克服中は車庫入れが本当に本当に本当に苦手で、車庫入れが出来なくて泣きそうになったほどです。
そこで、ペーパードライバーの方や車庫入れが苦手な方はアプリで経験を積むことをおすすめします。
アプリに関しては以下の記事で解説しています。
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出来ることは全て試して踏み間違いの対策をしたい
踏み間違い事故は高齢者だけではなく若い人でも発生します。
そして、最も踏み間違い事故が起こりやすいのは駐車場(車庫入れ)です。
若い人やペーパードライバーの場合、運転経験の不足から踏み間違い事故が起こるのではないかと推測していますので、踏み間違いを防ぐペダルの踏み方や、足を車に慣れさせる練習方法をご紹介しました。
踏み間違い事故は起こらないのが理想ですが、人間である以上100%失敗しないことは残念ながら有りません。
車自体に危険を回避してもらえるよう、安全装備の充実した車に乗り換えるのも一つの有力な選択だと思います。
現在では車庫入れの際に車の周りを360度見回すことができる「アラウンドビューモニター」や、車庫入れ事体をしてくれる車も存在しています(非常に高額で、車庫入れが出来るのも限定的なシーンではありますが…)。
また、踏み間違いによる急加速を防ぐ装置が付いた車も増えてきていますので、先進安全装備の付いた車であれば何かあった時でも最悪の事態は防いでくれるのではないでしょうか。
近年の中古車は安全装備が付いている車の方が価格も人気も高くなっており、当然ながら車を売却する際にも安全装備の充実している車の方が査定額も高額になります。
車の買い替えを検討中でしたら、安全装備の充実している車を選択する方が個人的には長い目で見ると良いのではないかと思います。
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