雨の日の運転は事故率が高い
雨の日は交通事故が起こる確率が上昇するという検証結果が出ています。
首都高速道路の公式サイトに、首都高で起こる交通事故の情報が出ていましたので引用します。
以下の図は雨天時と雨天時以外の事故件数を比較したグラフです。
年度にもよりますが、雨天時の事故は事故全体のうち、おおむね20%前後で推移しています。
これだけを見ると雨天時の事故は事故全体の5分の1となりますので、割合としては多くないように感じます。
では、晴天の時間と雨天の時間を比較した場合の事故の発生件数はどのようになるでしょうか。
東京管区気象台発表のデータによると、雨天の時間は年間総時間の約6%程度であるとのことです。
時間あたりの事故発生件数を比較すると上の図のようになり、雨天時の事故は晴天時の事故の約4倍発生していることになります。
このことから、多くのドライバーが雨天時の運転を苦手としており、交通事故が発生しやすいことがうかがえます。
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雨の日に交通事故が起こりやすいのはなぜ?
それでは、なぜ雨の日は交通事故がこれほどにも起こりやすいのでしょうか?
以下の要因が雨の日の運転を困難にしており、交通事故が発生しやすいと考えられます。
視界が悪い
雨の日の運転席から見える視界の悪さは、運転をする方なら多くの方が経験したことだと思います。
強い雨・激しい雨は何度ワイパーを動かしても次から次へと雨粒が付着し、動くワイパーも相まって晴天時より圧倒的に周囲の状況が見えづらいです。
霧のような小粒な雨もガラスに付着すると前の車のブレーキランプや反対車線の車のヘッドライトがキラキラと反射し、正しい状況を把握するのが難しくなります。
さらに雨の日は周囲が暗くなり、見通しも悪くなることから歩行者や自転車も非常に見えにくくなります。
特に歩行者や自転車が暗い色の服を着ている場合は突然現れたかのように感じ、驚くこともあるでしょう。
晴天時よりも視野が狭くなりやすく、運転中に不安を抱きやすくなるのが雨の日の特徴です。
歩行者・自転車も通常より視界が悪い
視界が悪いのは車だけではなく、歩行者・自転車も同様に視界が悪いです。
周囲が暗くて見えづらいのに加え、歩行者は傘をさしているので視界を遮る物が常にあります。
自転車も傘をさして運転していると視界が悪くなるだけでなく片手で操作をするため、晴天時よりも危険な運転をしがちです。(傘をさして自転車に乗ることは規制されていますので、決してしないようにお願いします。)
また、レインコートを着て自転車を運転していても、フードで視界が遮られる、対策をしていないと雨粒が目に入って周囲が見えづらい、レインコートが雨をはじく音で車の音に気付けないなど、じつは様々な妨害要素があります。
車が歩行者・自転車に気付きにくいように、歩行者・自転車側からも車の接近に気付きにくいことを念頭にいれて運転することが必要です。
ブレーキの制動距離が伸びる
ブレーキペダルを踏み、ブレーキが利き始めてから車が停止するまでに走行する距離を「制動距離」と言います。
雨の日は路面が濡れているためタイヤと道路の摩擦が少なくなり、滑りやすくなるため制動距離が長くなります。
晴れた日と同じ感覚でブレーキを踏むと止まろうと思っていた場所よりさらに前方で止まることになってしまう可能性があります。
また、タイヤがすり減っている場合も制動距離が延びてしまいますので、日頃からタイヤの状態を気にかけておく方が雨の日の走行は安全になります。
スリップの危険がある
雨の日は路面が滑りやすくなって制動距離が延びるだけでなく、スリップの危険性も高まります。
スリップの原因は、多くがスピードの出し過ぎです。
スピードを出したままでコーナーやカーブを曲がろうとすると、晴れた日よりも摩擦の少なくなった路面はタイヤが横滑りしてコントロールが利かなくなり、スリップしてしまいます。
カーブやコーナーに入る前にしっかりと減速することは、晴れの日以上に重要です。
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雨の日の運転のコツと注意点
雨の日の運転のコツ・注意点をご紹介します。
交通事故を未然に防ぐため、心掛けて運転したいことばかりです。
ワイパーを早めに使用する
フロントガラスに水滴が付いている状態では視界が制限され、大切なことを見落としてしまう可能性があります。
雨が降ってきたら少し早目にワイパーを使用するのが良いでしょう。
雨が弱いうちは手動で、強くなってきたら自動ワイパーの間隔を調整して対応していくのが良いと思います。
ワイパーブレードの摩耗が気になるかもしれませんが、ブレードのために取り返しのつかないことになっては元も子もありませんので、ワイパー周りは必要経費と割り切りたいところです。
フロントガラスやサイドミラーのコーティング
フロントガラスをコーティングし、雨を弾くようにすることも大切です。
ホームセンターやカー用品店などで様々な種類のグッズが販売されていますので、自分の好みに合うものを探すことをおすすめします。
サイドミラーの雨対策を立てておくことも大切です。
フロントガラスとは異なりワイパーが無いので、サイドミラーは水滴が付いたままになりやすいです。
しかしながら周囲の状況を確認しながら運転するためにはサイドミラーを活用することが必要不可欠となっています。
サイドミラーヒーターが付いている車は使う方が断然良いですし、付いていない車の場合は撥水コーティングをするのが良いでしょう。
上記の記事では雨の日にフロントガラスが曇る原因と対策を解説しています。
サイドミラーに水滴が付着するのを防ぐ「ガラコミラーコートゼロ」を試してみました。
上記の記事にて使用方法・効果をご紹介していますので、雨の日にサイドミラーが見えなくてお悩みの方はぜひご覧ください。
サイドミラー・ルームミラーの確認は小まめに
雨の日こそ車の周囲の確認が大切です。
普段よりも意識してルームミラー・サイドミラーを確認することをおすすめします。
車の横をすり抜けようとしているバイクや自転車にも早めの段階で気付ければ、危険な状況を回避することができます。
ライトを早めに点灯し歩行者や他の車に注意喚起
雨の日は普段よりも暗いため、早めのライトの点灯が望ましいです。
自分から外が見えやすくなるだけでなく、歩行者・自転車・他の車にもこちらに気付いてもらいやすくなります。
見通しの悪いカーブや交差点などはパッシング(一瞬だけハイビームを点灯させること)することで自車が接近していることを他車に知らせることも有効です。
通常より安全運転に気を付ける
雨の日に運転する場合は晴れている日以上に安全運転に気を配る必要があります。
車間距離を十分に取る
制動距離が延びるため、車間距離は十分に取る方が良いでしょう。
前の車が危険を避けるために急ブレーキを踏む可能性が雨の日は高くなります。
しっかりと車間距離が空いていれば前の車に急ブレーキを踏まれても追突せずに済むかもしれません。
速度を出しすぎない
走行の際は速度を出し過ぎるのを控えた方が良いです。
速く走れば走るほど制動距離が長くなりますので、雨の日は高速走行は危険です。
また、時速60km/h以上出すとスリップの危険性が高くなるという検証結果もあります。
どうしても高速道路を走行しないといけないなどの場合以外、速度を出すことは避けた方が安全です。
クラクションを鳴らすことも頭に入れておく
クラクションは交通標識で指示された場所と危険を避けるため以外には使用してはいけないと定められています。
そのため、特に初心者やペーパードライバーなど車の運転にあまり慣れていない方はクラクションを鳴らすことに抵抗があるかもしれません。
雨の日は歩行者や自転車の飛び出しがあっても急ブレーキで止まりきれない可能性がありますので、飛び出しの兆候が見られたらクラクションを鳴らして危険を教えることも大切です。
他にも、死角に車がいることに気付かず車線変更をしようとして衝突事故になる可能性も、視界の悪い雨の日にはあり得ます。
晴れた日であればあまり起こらないことが起こるのが雨の日の走行の特徴です。
危険が迫っている場合には思い切ってクラクションを使う勇気も必要になりますので、意識しておくと良いかと思います。
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雨の日の運転 まとめ
雨の日の運転は晴れている日の運転よりも難易度が上がります。
普段から対策をしておくこと、雨の日の運転の注意点やコツを知っておくことが大切です。
雨でも濡れずに移動できるのは車の大きなメリットですので、安全運転に気を付けて車に乗りたいですね。
■ペーパードライバー克服記事■
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私自身はペーパードライバーが協力者や講習なしで運転の練習をするのは反対です。
ですが、どうしても一人でやるしかない方のために練習の注意点を考えてみました。
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